失われた自分を求めて

元公務員/元フリーター/元ニート/アラサー/思いは言葉に

「犯罪者ってどんな人なんですか?」

ぼくがガキんちょだったころ、英語が話せるスーパーシンガーって宇多田ヒカルくらいだったけど、最近は上手な英語で歌う人たくさんいますね。Nulbarich、shin sakiura、eillとか。しゃれおつMVつくっちゃってさ。スカしちゃってさ。まあ、聞きまくってるけどね!!ちくしょー!!荒れ模様のアラサトです。


大人になると、初対面の人との会話で「どんな仕事をしているか」が話題になることがあります。

「犯罪者とか非行少年と関わってましたー」

と言うと少し驚かれます。そして、ちょっぴり聞きにくそうな感じで

犯罪者の人ってどんな人なんですか?

と聞かれることがあります。

この質問に、ぼくはスッと答えられたことがありません。


脳内コンピューター作動。
いやー犯罪者っつってもいろいろいるしなあ。20代もいれば、上は80代とかもいるし。男性、女性、性別に縛られていない人もいるだろうなあ。質問したこの人が想像するような極悪人の殺人犯とか強盗犯はあんまりいないし、性犯罪した人、薬物犯罪した人、窃盗した人、いろいろいるし。てか性犯罪って一口に言っても、強姦、強制わいせつ(路上で抱き着くとか)、盗撮、下着泥棒、暴行、いろいろいるし。薬物犯罪も覚せい剤、大麻、シンナーとかいろいろ違うしなあ。無口な人、よくしゃべる人、アラサトと話せてよかったと言ってくれる人、不機嫌そうな人、いろいろいるしなあ。あ、家族関係があったか!いや、でも片親家庭とか、被虐待経験ある人ばかりでもないし。うーん、むずいなあ。いっそ犯罪白書とか読んでほしいなあ。ま、いいや。


いろんな人がいますよー

いや、ウソじゃないもの。アラサト脳内コンピューターが悶々と考えた末に出した言葉ですから、それなりの重みはあるんですよ(笑)
その後、もっと詳しく尋ねてくれる人には、ぼくの脳内カオスをお話しすることもあります。「反省しているんですか?」と尋ねる人もいます。後悔したり反省したり、真面目に生きていきたいと言う人もいれば、自分は悪くないという人も稀にいます。でも、そもそも心の中のことははっきりとは分かりません。


初めは、あまりにナイーブというか、素朴な質問すぎて、ちょっとイヤな気分にもなりました。犯罪者を一括りにしてその特徴を言語化する、なんて不可能なことはちょっと考えればわかるじゃんと思いました。
「公務員ってどんな人?」
「男ってどんな人?」
「東京に住んでいる人ってどんな人?」
そりゃいろいろいまっせ。「犯罪者ってどんな人?」は、こーゆー質問と同じくらい難しいというか、成立していないというか。

でも、ちょっとわかります。聞きたいよね。「犯罪者の人と関わってましたー」なんてあっけらかんと言う人が目の前に現れたら、「え、どんな人たちなの?」ってつい聞きたくなる。その気持ちはよく分かりますし、ぼくも同じように素朴な疑問をぶつけてしまうかもしれない。

もっと根本的には、「△△ってどんな人?」という質問には、
自分は△△と違う、
自分は△△には含まれていない、
という断絶のようなものがある気がする。実際は、断絶なんてほとんどない。ぼくと△△にはたくさんつながるところがある。でも、△△という「言葉」によって区別されてしまい、「どんな人なの?」と聞かないと想像もできないほどに自分と離れた存在になってしまっている。


うーん、なにコレ。思った以上にモヤモヤ。
自分もやっちゃうしなあ。池袋にいる人ってなんか変じゃない?とか思っちゃうし。
犯罪者、非行少年、要保護児童、発達障害者、LGBT、被災者、外国人労働者、生活保護受給者、ゆとり世代。
言葉が豊かになればなるほど、想像力が削り取られていく...


モヤモヤするのでもう終わりにします。
よい休日を。


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