失われた自分を求めて

元公務員/元フリーター/元ニート/アラサー/思いは言葉に

映画『よこがお』を観て

仕事を辞め、ニートになって早1ヶ月。
最近は、映画、友達、本、説明会、映画、本、面接、映画
みたいな感じです。
そろそろ働きたいかもと思いつつ、自由で文化的な生活がやめられないとまらないアラサト(仮)です。


今日も映画の感想です。いやあ、ニートは暇でね、映画館がお友達になりつつ。

『よこがお』という映画を観に行って、ラッキーなことに、監督と女優の筒井さん、市川さんの舞台挨拶も見てきました。筒井さんはキレイで、市川さんは面白いってかんじでした。

yokogao-movie.jp
特に予告も見ずに、なんとなーく行ってみたんですが、見ごたえのある映画でした。映画を観てるってかんじでした。

ざっくりストーリーを言うと、
筒井真理子演じる市子の甥が市子の知人の女子高生を誘拐し逮捕され、加害者の親戚である市子の生活(よこがお)に様々な変化(退職、破談など)が生じる
というかんじです。だいぶざっくりしてますが。

『よこがお』というだけあって、人物の表情に惹きつけられます。
見どころとしては、顔と表情です。

一つは、時間の経過による変化。
構成上のちょっとした仕掛けもあり、ぼくは途中まで、市子には双子の姉妹がいるのではないかと思うほど、筒井真理子演じる市子の表情・風貌が変化しています。同一人物とは思えないほどに。ラストシーンでは、サイドミラーに市子のよこがおが映され、緊張感が高まった状態で終わります。

もう一つは、表情を通して描かれる人の二面性。
これは何と言っても市川実日子演じる基子です。優しく気遣いな女性かと思いきや、なんとも言えない不気味さや陰鬱さを感じるシーンもあります。また、二面性は市子についても当てはまると思います。復讐という単純な感情だけでもない。人に潜む様々な面が顕れては消える様子を、市子の姿から感じました。
ちなみに、舞台挨拶では、監督も「二面性を描いている」というようなことを言及していましたね。

あとは、ところどころ挿入される情景的なシーンです。タバコの煙、闇夜に点滅する街頭、押し入れ、湖などなど。監督曰く、赤いペンキにも意味があり冒頭のシーンから循環しているとのことでした。そのへんをよーく見るのは面白いと思います。

内容的にも、いろいろ示唆があると思います。
マスコミ報道の過剰性と危険性、加害者の親族が相談できる場所が少ないこと(被害者支援センターに行っても断られてしまう)が暗示され、加害者の親族が社会から排除されていく過程が描かれていました。特に、犯罪に関するマスコミ報道については、ずいぶん前から本や映画で問題提起されていると思うのですが、今でもあまり変わっていないんですかね。悩ましい。。。


映画について書くのは不慣れであまり深堀もできないんですが、いろいろ雑感を書いてみました。
個人的には、内容以上に表情や情景に目を奪われる作品でした。


お腹がすいたので、ではまた。